2008年10月15日水曜日

第十四話   ミカシズ・シリーズ

「って、そんな訳ないよね~」
「ないわね~」
 

沈黙が続いた。
  

「でもね、もし、私達のクラスに本物のエスパーというかテレパシストがいたら、全て説明つくわ」
「どんな風に?」
「私達のクラスに本物がいたら、イカサマ・超能力でいい気になってる私達が許せないんじゃないかしら」
「いい気になんかなってないわ」
「でも、周りからはそう見えると思うの」
「確かにね。もし、私達ニセモノがチヤホヤされているのを本物が見たら、めっちゃムカつくだろうね。殺したいほど」
「で、私達の話題でクラスが浮かれたら、本物エスパーは感情が抑えきれなくなって、受信系の人物を使って私たちを襲わせた」
「それなら、教室にいないのに、アイや中森先生が私達の話題に反応したのもうなずけるわね。でも、テレパシストって人を操れるのかしら」
「うーん。テレパシーって『意思』や『思考』を直接『脳』に伝えるんでしょ。私達みたいに直接『耳』で聞くわけじゃないと思うの。だから、とっても強い『意思』を相手に送り込んだら、送り込まれた相手はそれが自分の意思か他人の意思か脳が判断できなくて、って言うか、脳がその思考で満たされるから、操られてしまって、後は何も覚えてないのかも」

「・・・でも、やっぱ可能性は薄いかな・・・。どうして、本物ならそう言わないのかしら」
「言えない理由があるのかも・・・」

「とにかく、具体的な対応策を考えましょう。絶対、学校ではふたりは離れない。これは鉄則ね」
「そして、クラスの集団から離れない」
「誰かが引き離そうとしたら、それは要注意ね」
「集団にいれば、アキラやアイが襲ってきても大丈夫だと思うけれど、中森先生は?」
「そうね、人がいたら二重人格みたいにころころ態度が変わるけど、要注意なのは確かだし、力でかなう訳ないから・・・」
「もし、集団の中にいたとしても、もし襲ってきたら、防ぎようがないわ。しかも先生だし・・・」
「・・・厳しい毎日が続きそうね・・・」


第十五話へ

0 件のコメント: