ミカとシズは答に詰まった。
「はい」と言うしか道は残っていなかった。
リサが何者か分からなかったが、今までの経緯から、彼女が本当にそれ実行するとミカとシズには思われた。
アキラやアイは実際に暴行を繰り返した。しかし、学校内であったため大事には居たいっていないが、今朝の大事件を考えると本当に惨事は起こるかもしれなかった。
しかも、ここでは守ってくれる人は誰もいない。
ミカが言った。「嫌よ!」
シズは驚いた。
なんでわざわざ相手を怒らすのよ!!嫌だったら、その時になって「アキラの言うことは嘘だ」と言えばよいじゃない。
「嫌よ。嫌よ。ぜーったいに嫌!」
「本気で言ってるの?」
「本気よ!絶対に嫌!」
ミカはもう我慢できなった。
いつまでも言いなりになって、後から対策を練るのはもう嫌だった。
「嫌、嫌、嫌。ぜーったいの絶対に嫌!!」
リサの顔色が変わった。目が吊り上った。
あまりの豹変ぶりにミカとシズはたじろいだ。ミカもちょっと後悔した。
リサが金属バットを玄関から持ってきた。
そしてそれを振り上げた。
「質問は、これで最後よ。本当に嫌なの?」
相手は同級生の女生徒だ。思い切り金属バットで殴られても「死ぬ」ことはないのではないか?
入院ぐらいはしないといけないだろうが、「死ぬ」ことはないのではないか?ミカはそう考えた。
しかし、何発も殴られたら・・・。私が死んだら、シズもその後・・・。
意思を変えるなら今しかない。
ミカは言った。「嫌だって、いってるでしょ。頭悪いの?!」
リサの目が更に吊り上った。
もし、一発目で気を失わなかったら、足でリサをはさんで、こちらに倒してやる!!そ
して手でも首でも噛み付いて、肉を引きちぎってやる。
いや、シズの為にも絶対気を失ってなるものか。絶対噛み千切ってやる!!ミカは覚悟した。
リサが「死ね!!」と叫ぶと同時に、金属バットを振り下ろした。
ミカはそれと同時に頭を左に傾けた、本能的に、頭部を避けて肩で金属バットを受けようとしたのだ。しかし、目も閉じてしまった。
1秒・・・2秒・・・3秒・・・
ミカはゆっくりと目を開いた。
リサは、金属バットを振りかざしたまま固まっていた。
顔からは汗がダラダラと流れていた。
第三十一話へ
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