ミカが言った。
「中森先生は、皆の前だったから、そ知らぬふりをしたのかな~」
「校門で追いつかれた時は、ミカと私と先生しかいなかったのに演技する必要あったのかな~」
「それもそうね」
「不思議な点を書き出してみよう」
「うん」
3人(ミカとシズ以外の生徒にとっては2人)が教室で暴れた事件の翌日は休日だった。
ミカとシズは作戦会議を開いていているのだ。
1、中森先生は、なぜ私たちのテレパシーのトリックを知っていたのか?
2、中森先生は、なぜ 校庭でそしらぬフリをしたのか。
3、中森先生は、私たちが嘘を言っているだけで、なぜ、あんなに怒ったのか?
4、アキラやアイは単に嫉妬だけで襲い掛かってきたのか?
5、なぜ私たちの話題になると、それを察知したかのように、アイや中森先生は現れたのか?
「アイって、こっくりさんの名人なんでしょ」シズが言った。
「そうよ」
「だから、特殊能力で私たちの方が学校で有名になったから切れたんだって、皆言ってたけど、アキラは?」
「アキラは電波だから、一種の超能力者と自分では思ってたのかも?」
「電波って超能力なの?」
「頭の中で誰かが騒ぐ、とか言ってるから、本人はテレパシーの一種と思ってたんじゃないかな~」
「中森先生が私たちの秘密を知っていたのは?」
「中森先生も、人には聞こえない周波数の音が聞こえるのかも。だから、私たちのトリックを見破ることができた・・・とか」
「でも、ミカが殺されると思ったぐらい怒ってたんでしょ。私も先生が教室に入って来たときは、あの表情見て、殺されると思った。そこまで怒ることなのかな・・・」
「そう言えば、中森先生も特殊能力者と言えば、そう言えるかも」
「どーして?」
「よく怖い話とかするじゃない。幽霊が『見える人』らしいわよ」
「そうすると・・・アイ、アキラ、中森先生、私たちを敵視する人は全員、何らかの能力者なのね・・・しかも・・・」
「しかも・・何?」
「全員、受信能力だわ」
「何、それ?」
「私たちの能力は「受信」と「送信」に分かれてるじゃない」
「うん」
「能力の違いはあるけれど、こっくりさんも霊を呼んで指を動かしてもらうわけでしょ。動物霊を受信してるのよ。アキラも本人が言うように、誰かが頭の中で騒ぐのなら、誰かの思考を受信していて、中森先生も幽霊の姿を受信してるの。私たちの能力とは違うけれど、全員、受信系の能力」
第十三話へ
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