2008年10月12日日曜日

ミカシズ・シリーズ(仮題) 第三話

そして第二の事件が起こった。

突然、隣りのクラスがザワザワと騒ぎだした。
しばらくすると、隣りのクラスの女子生徒のひとりが、ミカやシズの教室に飛び込んできた。
教壇にいた先生が制止する間もなく、その生徒は迷うことなくシズに向かって一直線に進んできた。
そして、いきなりシズにビンタの連打を浴びせ始めた。

以前のミカの件があったので、あっと言う間に周りの生徒が他クラスの女子生徒を取り押さえたが、すでにシズの顔は真っ赤に腫れていた。

前回と同じく、隣りのクラスの女生徒は何も覚えていなかった。
その時、その女子生徒は、突然、頭をかきむしりながら席を立ち、先生の制止も聞かず、教室を出て行ったのだ。そして隣りのシズの教室に乱入した。
その女生徒はこっくりさんや占いに凝っていて、それが当たると評判の生徒だった。

この事件もうやむやに処理された。

他の生徒も先生も、超能力者として学校で有名になったミカとシズに対して他の生徒が嫉妬した事件として認識していた。

ミカとシズは、二度と皆の前でテレパシー実験をしてはいけないと言われた。

ある意味それらは当たっているとミカもシズも感じていた。
それにふたつの事件があまりにも衝撃だったので、他の生徒も先生も気付いていないが、教室でミカとシズの話題が出た直後に、それぞれの事件は起こっていたのだ。

ミカの時は、皆が「テレビに出たら人気者だぞ」と言った直後に事件は起こった。
シズの時は、教壇に立つ先生がシズのことを冗談で「エスパー少女」と呼んだ直後に、隣りのクラスが騒ぎだした。

しかし、ミカの時はともかく、シズの時は、何故、隣りのクラスの生徒が突然、シズを襲ったのか不思議だった。シズが「エスパー少女」と呼ばれたことを、その時に、隣りのクラスの生徒が知るはずはない。
さらに、前からミカとシズに敵意を燃やしていたとしても、わざわざ授業中に襲いに来るだろうか?

ミカとシズは、あんないたずらをするのではなかったと後悔していた。
そしてミカとシズは常にふたりで行動を共にした。それまでもそうしていたが、片時も離れることなく、さらにクラスの集団からも決して離れないようにした。
ミカとシズは細心の注意を払って行動した。

それに、ミカとシズだけでなく、二回の事件で学校全体が緊張に包まれていた。

そして、第三の事件は起こった。

第四話へ

0 件のコメント: