今までふたりに対して懐疑派だった生徒もいたが、
ミカとシズの告白により、皆がミカとシズの能力を認めた。
教室中は興奮のルツボと化した。
誰も彼もがハイになっていた。
その時、ガタリと椅子を引く音がして、アキラが立ち上がった。
その目は充血し、尋常でないのは誰の目にもあきらかだった。
アキラはミカに向かって歩きだそうとした。
しかし、あきらかに普通でないアキラの態度を察知した生徒5,6人がアキラを取り囲んだ。
アキラはそれを無視してミカに襲い掛かろうとしたが、取り押さえられた。
その時、隣りの教室も騒がしくなった。
バタバタと音がしたと思うと、教室のドアが開いた。
以前、シズを襲った占い少女だった。
教室に走りこもうとしたが、後を追ってきていた先生に羽交い絞めにされた。
ふたつの揉みあいが続いた。
教室の中はパニックだった。
ミカとシズは、どうすることもできず、ただ祈るしかなかった。
これ以上混乱がおきませんように・・・。
ダンダンと廊下を踏み鳴らす音が聞こえた。
教室のもうひとうのドアが乱暴に開けられたかと思うと、中森先生が入ってきた。
目は吊り上り、真っ赤な顔で、興奮状態なのはあきらかだ。
中森はミカとシズを交互に見た。
敵意と怒りに満ちていた。
今度こそ殺される。ミカは確信した。
中森が教室に走りこんで来た。
他の生徒の机をぶっ飛ばしながら、ミカとシズに向かって一直線に進んできた。
ミカはシズの手を取ると、ドアとは反対側に走りだした。
ここは一階。
ミカは窓を開けると、外に飛び出した。シズもそれに続いた。
ミカとシズは校庭を校門に向かって走り出した。
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