2008年10月14日火曜日

第八話   ミカシズ・シリーズ

今までふたりに対して懐疑派だった生徒もいたが、
ミカとシズの告白により、皆がミカとシズの能力を認めた。

教室中は興奮のルツボと化した。
誰も彼もがハイになっていた。

その時、ガタリと椅子を引く音がして、アキラが立ち上がった。
その目は充血し、尋常でないのは誰の目にもあきらかだった。

アキラはミカに向かって歩きだそうとした。
しかし、あきらかに普通でないアキラの態度を察知した生徒5,6人がアキラを取り囲んだ。

アキラはそれを無視してミカに襲い掛かろうとしたが、取り押さえられた。

その時、隣りの教室も騒がしくなった。
バタバタと音がしたと思うと、教室のドアが開いた。

以前、シズを襲った占い少女だった。
教室に走りこもうとしたが、後を追ってきていた先生に羽交い絞めにされた。

ふたつの揉みあいが続いた。
教室の中はパニックだった。

ミカとシズは、どうすることもできず、ただ祈るしかなかった。
これ以上混乱がおきませんように・・・。


ダンダンと廊下を踏み鳴らす音が聞こえた。
教室のもうひとうのドアが乱暴に開けられたかと思うと、中森先生が入ってきた。

目は吊り上り、真っ赤な顔で、興奮状態なのはあきらかだ。
中森はミカとシズを交互に見た。
敵意と怒りに満ちていた。

今度こそ殺される。ミカは確信した。


中森が教室に走りこんで来た。
他の生徒の机をぶっ飛ばしながら、ミカとシズに向かって一直線に進んできた。

ミカはシズの手を取ると、ドアとは反対側に走りだした。

ここは一階。

ミカは窓を開けると、外に飛び出した。シズもそれに続いた。
ミカとシズは校庭を校門に向かって走り出した。

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