2008年10月19日日曜日

第三十七話   ミカシズ・シリーズ

ミーシャはサッシ越しにシズを見つめていたが、行動は起こさなかった。

ミーシャは利口な猫だ。しかし、窓を開けるのも、外から帰って来たら足を拭くのも、一瞬で習得した訳ではない。2,3日はかかった。

シズは精神を集中させて、ミーシャに画像を送った。

ミーシャが急に走り出した。こちらに向かってきたが、縁側の下に見えなくなった。

床下に潜り込めるといいのだけれど・・・。シズは祈った。

しばらくすると、台所の床下収納庫のフタが持ち上がった。
ミーシャの顔がのぞいた。
「シズ!来たわよ。ミーシャーが来たわよ!」ミカは興奮して、やや声が大きくなった。
「シッ!!リサが起きるわよ」小さな声で言った。

ミーシャはシズに近づいてきた。シズは再びブツブツとつぶやき始めた。

ミカは、きっと「ロープを噛み切れ」と伝えているんだわ。と思った。

やがてミーシャはふたりを柱に縛り付けているロープを噛み始めた。

凄い!!!シズもミーシャも凄い!!
ミカは心の中でそう叫んだ。

これで、リサが意識を取り戻す前に、ここから脱出できる!

そう思った時、この家の門が開く音が聞こえた。
続いて乱暴に玄関が開く音。

ミーシャは驚いて、動きを止めた。


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