2008年10月19日日曜日

第三十八話   ミカシズ・シリーズ

そして部屋の扉が開かれた。

そこには、クラスで「成績」「美貌」「スタイル」、その全てで一、二を争うレイカがいた。

しかし、今は眉は釣り上がり、射るような目つきでふたりを見下ろしていた。

レイカは大股で部屋に入ってくると、ミーシャを見つけた。
レイカはミーシャに近づき蹴り上げようとした。
ミーシャは飛びすさり、開いたままになっている床下収納の中に逃げ込んだ。

次にレイカは倒れているリサを蹴飛ばした。
リサはう~んと唸ったが意識を取り戻すことはなかった。
レイカは足でリサを転がし、床下収納の蓋の上に移動させた。

そしてレイカはミカとシズ向き直り言った。「超能力で脱出したら?」
「あなたもなの?私達を襲いにきたの?」
「そうよ。最後まで正体を現す気はなかったけど、気が変わって出てきたの。あなた達のぶざまな姿を笑いにきたのよ。全て私がやったことよ」
「今日の教室の出来事も、アイやアキラや中森先生のことも?」
「勿論よ。私は本物のテレパスよ。思考を送受信するだけでなく、受信能力のある者を操ることも簡単よ。あなた達のイカサマ・テレパスとはモノが違うわ。
あれほど、警告したのにあなた達は理解しなかった。
あっ。ゴメンネ。理解しなかったんじゃなくて、できなかったよね。
凡人はレベルが低くて付き合うのに苦労するわ。
そして、ミカ。あなたはリサに言わせた最後の取引をも断った。これで決まりね。あなた達は死ぬの。
でも、私は優しいから最後の最後にもう一度だけチャンスをあげるわ。
テレパシー実験は全てイカサマでしたとクラスで告白する?」

ミカは迷った。
レイカの言うことは本当だろうか?本当にテレパスなど存在するのだろうか?
いや、今、問題はそんなことじゃない。
私達を殺すというのは本気なのだろうか?
本当に今までの事件を全てレイカが操っていたとしたなら、たぶん本当に殺すだろう。


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