噂が発生した当日は何も起こらなかった。
帰宅時、シズが貧血を起こした。
一日中、何が起こるか?という緊張が続いていたのだ。
ミカが一緒だったので、大事には至らなかった。
「ミカ、もう駄目。しばらく一緒に学校を休みましょう」
「何を言ってるの。駄目よ。負けちゃあ」
ミカも本当は衰弱していた。しかし、シズの消耗ぶりを見ると、これではいけないと思った。
「でも、限界だわ」
「待ってるから、身が持たないのよ。
いいチャンスかもしれない。こっちから仕掛けるのよ」
「ど、どうするの?」
「敵は中森先生か、アキラか、アイか、それともその全部か、全く違う犯人がいるのか、
それとも悪魔か悪霊か全く分からないけど、作戦を変更したのは間違いないわ。
強烈な恐怖植えつける行為から、ジリジリと細かい消耗戦に切り替えたのよ。
だから、このチャンスにこっちから仕掛けて、一気にカタをつけるの」
「そんなことしたら、また、殺されかけるかも知れないのよ」
ミカも怖かったが、今の状態は生きてる気がしなかった。
自分本人が攻撃されるより、シズが、敵のみみっちい攻撃で消耗してくのが見ていられなかった。
時間がたって恐怖が薄れたからそう思っているのかもしれないと本人も思っていたが、今の状態は断じて嫌だった。
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